医療経営人材の人材育成と人脈育成

神奈川研究会(主に医療経営士を集めての定期的な勉強会)の運営が軌道に乗ってきている。 その活動目的と方法論について述べる。 https://www.facebook.com/kanagawakenkyukai/
Nov 30, 2017chevron-down
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医療経営人材の人材育成と人脈育成
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医療経営人材の人材育成と人脈育成

背景

「経営不在」とも言われる医療業界。 医療をやりたくて医師になって、これまでずっと医療をやっていた方が、肩書の変化に伴い、急に「はい、経営やってください」では、できるほうが珍しい。 しかしこれまで日本の病院経営は全てそのような体制で行われてきた。 世界的に見ても「日本の医療は素晴らしいが、経済的にはNG」という評価を受ける大きな要素だろう。 アメリカやドイツでは院長とは別に経営者(理事長等)がいて、医療と経営の2トップ体制で病院が運営されている。

日本では、院長は医師である必要(医療法)がある一方で、「病院事務職の主体性不足が経営のボトルネック」と言われることも多い。 悔しいが事実だと私も思っている。肩書がどうこう言っている場合ではない。 この現状は打破すべきである。 病院事務職がもっと力をつける必要がある。

パレートの法則(2割の人材が全体の8割の仕事をしている)通り、どの病院にも、パフォーマンスも志も高い事務職員はいる。 しかしそのような人材は高い確率で忙殺され、孤立し、バーンアウトし、折れる。または職を変える。

状況の分析・課題

医療を変えるためには、先述したパフォーマンスも志も高い人材を支え、将来的にも活躍してもらう必要がある。 そのために下記が必要だと考えた。

  1. 継続的な学習

  2. 奮闘しているのは自分だけではないことを自覚し、井の中の蛙にならないようにする

  3. 今後、医療の在り方が変わるときに備え、現場レベルでの人脈を構築しておく つまり、外部で勉強会のような場が病院事務職にもあればよい

と考えた。

しかしそういう機会はあまりにも少ない。 あっても、高い、遠い、平日の昼間の仕事を休めない などの理由で参加できることは(特に若手には)ほぼ無い。

アプローチ

ならば自分でやろうと、平日の夜、定期的に研究会を開催した。(している。) 後述するが、目的は下記3つにはっきりと決めた。

  1. 継続的な学習のため

  2. 志のある人財同士の、志の確認のため

  3. 現場レベルでの人脈育成のため

第1回を2014/4に開催し、現在(2017/11)までに12回開催している。 初めは運営が安定しなかったが、事務局の体制を見直すことで、かなり安定してきた。 研究会の開催自体が、目的の1, 2 に寄与しているものと考えている。

また、地域医療構想や、地域連携推進法人などの制度的な枠組みも重要である一方で、 人材同士のアンフォーマルな人間関係も重要である。 そう考えているので、研究会後の懇親会も毎回セッティングし、交流が深まるようにしている。 これは目的の2, 3 に寄与している。

運営の方法論としては、ポイントとして以下6つがあげられる。

  1. 毎回目的を語ること
    全ての活動に共通するあたりまえのことであるが、これがブレるとうまくいかない。   参加者を鼓舞する意味でも、やりすぎと思われるくらい熱く語る必要がある。

  2. 事務局のキャスティング
    目的に共感いただける方であることはもちろんのこと、この活動自体が経済的な利益を生むものではないため、事務局にとって価値のあるものであり続ける必要がある。
    やりかたは様々でよいと思うが、当研究会は楽しくやっていけるメンバーがよい。
    また、講師の選定や縁が豊富な、ベテランにも協力してもらえると強い。

  3. 事務局間の普段の情報共有
    基本的にはサイボウズLiveの掲示板機能とファイル共有機能を活用し、ほとんどのことはそこで検討し、研究会とは別に集合して幹事会(と称した食事会(自腹))で意識統一を図っている。

  4. 広報(協会HP、Facebook、チラシなど)
    開催のお知らせは医療経営実践協会のホームページ、メールマガジンに加え、Facebookでのお知らせ、チラシの配布やFAXなどで、周知している。

  5. 事務局自体がマンネリ化しないための工夫
    事務局の為にやっているわけではないが、事務局が盛り上がっていないと研究会も盛り上がらない。
    事務局内に良い緊張を持たせる意味でも、研究会にグループワークやエクササイズ等、新しい取り組みをなるべく取り入れている。

  6. 黒字運営
    長く続けるためには赤字を出してはいけない。
    収入は参加者からの参加費、支出は会場代、講師代(講師の懇親会費)だけであるので、参加者数は一定以上来て頂くことは必要である。

結果

研究会自体の成果としては 2017年11月25日現在で 12回開催し、延べ参加者数は398人に上っている。 今後も奇数月の第3金曜日で固定化する予定である。

研究会からスピンオフして出てきた成果として、

  • 研究会で知り合った者同士で病院訪問や情報交換が行われたこと。

  • 大学で病院経営を学ぶ学生たちに講義をする機会を得たこと。(今から過渡期を迎える熱い業界であることをPRできた)

  • 遠方からも参加頂けることがある。

  • HealthCareOpsとコラボレーションすることができたこと。

などがあげられる。

今後の課題・展望

神奈川だけでやっていても仕方がない。 東京と静岡と関西でも同様の活動があるが、連携し合いながら全国的な活動にしていきたい。 医療経営人材の人脈構築の先には、“新しい医療の形を僕らで作る時代”が待っている。

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