氏名:徳原 真
所属:国立国際医療研究センタ−/医療連携室
前提:高度急性期 特定機能病院・医療連携
課題:前方連携の対象となるクリニック・医院への訪問が充分されていない
対応:医療連携室の事務スタッフによるアポなし訪問の開始
結果:新規紹介患者あり、院内からの評価あり
内部環境:
約700床、超急性期、特定機能病院であるが、
入院患者の多くは半径10km圏内
外部環境:
新宿区内に大学病院が3つ、その他基幹病院が3つと高度医療機関が集中、地元医師会とは良好な関係を保っている。
近隣には独居率、高齢化率が高い都営住宅があり。
前方連携の対象となるクリニック・医院の訪問が充分になされていない
経営状態の改善には、年間を通して安定した高い病床稼働率が必要
手術をはじめとする高度急性期の治療が必要な入院患者を安定して獲得するためには、クリニックや病院からの紹介患者の増加が必須
地元の医師会や病院OBからの患者紹介が多いが、近隣の医療機関が地元の医師会に働きかけを強めており、今後は患者が流れる可能性もあり、患者紹介をしてくれる新規の医療機関の開拓が求められている。
患者紹介数が多いクリニック、医師との個人的な関係が深い医療機関などには医師(病院幹部も含む)と事務とで訪問、挨拶には行っていた。
訪問は散発的に行われており、計画的かつ組織的には行われていなかった。
いわゆる“飛び込み営業”のようにクリニックに予約なしで訪問することについては、効果に疑問を持っており全く行っていなかった。
医療連携室の他の業務が忙しく、医療機関の訪問を専門で行う人員が割けなかった。
近隣の医療機関も“飛び込み営業”を行っている様子はない。
診療科長の交代を含む、診療体制の変更のため、新規患者数が下がり、広報が必要な診療科があった。
訪問の対象をクリニック・病院などの医療機関に限っていた。
広報が必要な診療科の洗い出し(自薦も含む)、重点的に宣伝する診療科を決める
重点となる診療科に宣伝用のA4のチラシを作成してもらう。(チラシのフォーマットは共用)
訪問可能な地域を限定して、重点となる診療科に関連するクリニック、医院をインターネットを使って検索(メドプラスを活用)、訪問先を決める。効率よく回れるように訪問計画立てる。
医療連携室の担当の事務方(MSW)が、他の業務の時間の合間を見つけて訪問。(事務方は、今までにクリニックの訪問の経験が比較的豊富)
クリニック・医院をアポなしで訪問、対応した受付、看護師に診療科の簡単な宣伝を行い、パンフレットを渡す。
クリニック毎の訪問記録をまとめ、連携室長がチェック、連携室内で共有ができるようにメドプラスにアップする。
訪問記録を当該の診療科長、病院幹部に報告
診療科長が訪問を希望するクリニック、また、印象がよいクリニックには、診療科長を同行し訪問することを計画。
地域を限って、3つの診療科の関連するクリニック・医院を訪問
訪問件数は1つの診療科について30〜40件程度
訪問したクリニックから手術患者の紹介が1件あり。
クリニックから院長との面会の申し出が2件あり。
実際に訪問してみないとわからない情報が得る事ができる。(待合室に患者さんが多いなど)
一部の病院幹部からの評価あり
情報が院長まで伝わっているかは不明(パンフレットはゴミ箱に?)
訪問を繰り返すとかえってクリニックの印象を悪くする可能性もあり
診療科長を同行しての訪問はまだできていない
本当のアウトカムはまだ不明。