氏名:村上 富美恵
所属:榊原記念病院 看護部小児病棟
前提:小児循環器一般病棟
課題:長期入院、退院困難患者さまの退院支援
対応:師長と連携し、退院支援の指揮、調整をとった
結果:100日以上入院の患児を今年度5名医療的ケアを持ち帰り自宅退院ができた
当院小児病棟は、先天性心疾患患児の入院を受け入れている。新生児から乳幼児が全体の8割程度を占めている。先天性心疾患は段階的に手術を行う症例が多く、入退院を繰り返す患児が多い。また、在宅酸素療法のほかにも、気管切開し在宅用人工呼吸器装着児など医療的ケアを持ち帰り自宅退院される患児が大体ではあるが3~4割ほどいる。産科開設から、新生児で育児指導・支援を行う症例も増えてきている。
医療的ケアを必要とする患児の退院支援が滞り、入院が長期化することが多い
ご家族の支援体制が整わず、入院が長期化することが多い
退院支援ナースの育成が滞っている
一定のスタッフの意向が大きく退院支援に影響し、調整者がいなかった
プライマリーナースに過剰に負担がかかっていた。そこには、サポートナースからの支援が足りなかった(トップダウンになっていた)
医療的ケアを必要とする患児が多い
ご両親の愛着形成、育児支援を必要とする症例が増えた
地域との連携について、社会資源の活用などの知識が足りなかった
医療的ケアを必要とする患児の退院支援を一定のスタッフのみで行い、スタッフ育成が出来ていなかった
プライマリーナースの成長を期待した人選であることを周知できていなかった。サポートナースが教育的関わりとなっていなかった
まずは自分が退院支援、地域への切れ目ない支援についてCN(認定看護師)から学んだ
師長と連携して、入院患児で長期になりそうな患児を、早期から退院の目処を医師に確認した
退院調整を師長もしくは自分に情報が上がるようにした。
看護師経験2~3年目の看護師にプライマリーナースを依頼し、退院支援を共に行った
長期入院となっている患児のどこに問題があるのか、CNS(専門看護師)・CNに相談し問題を明確にした
医師へ早期から地域連携について相談し、介入をはじめた(特に新生児)
MSW(Medical Social Worker)へ早期情報提供に努めた
プライマリーナースとそのサポートナースの関係性を再構築した
100日以上の入院患児を、地域の病院や訪問看護、行政、学校と連携をとり、自宅退院できた(今年度は5名)
入退院を繰り返す患児で、症状が軽度であれば近隣の病院で受け入れして頂くことの調整ができ、患児及びご家族の心身の負担が軽減した。その結果、ご家族との信頼関係を再構築することに繋がった。
退院支援について、スタッフが興味を持ち参加するようになった
プライマリーナースとサポートナースの関係性を再構築できた
全ての患児に早期の対応が出来ていない(すり抜けてしまっていることがある)
まだ一定のスタッフの意向で退院支援がすすめられていく傾向がある
退院後のフォロー、外来への連携が出来ていない。
医療的ケアを必要とする患児の、個別性のある看護の提供について情報共有の仕方が議論できていない。再入院時に前回と同様のケアを求められるが、提供できない。(再入院した際のご家族満足度に影響する)
マニュアルが作成できていない