組織の中に身を置きつつ、社会とまた違うつながりを形成する

私が15ヶ月の間に経験したことをシェアします。
Aug 10, 2017chevron-down
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組織の中に身を置きつつ、社会とまた違うつながりを形成する
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組織の中に身を置きつつ、社会とまた違うつながりを形成する

勤務先

  • 東京都済生会中央病院  医事企画室

  • URL  https://www.saichu.jp/

  • 535床 急性期・一般7対1

Introduction

誰かに何かを相談する時にこわくなったりしませんか?

会議や打ち合わせで何かが違うなと感じた時にそれを伝えられてますか?

「いまどんな感じ?」と自分に聞いてみてどうですか?

内容

私たちは、何かしら置かれている立場において役割を担っています。それは"病院職員" "自治会長" "隣に住むお兄さん"とか。 それぞれの役割に沿った行動を求められていると考え、その場その場で立ち居振る舞いを多少なりとも変えるでしょう。

特定の集団で一定のポジションを得ること、肩書きを得ることも大事なこととされています。 社会の一部で何かを成し遂げたいと思い、走り出すには他者との信頼関係や実績、義務感や責任感、困難に立ち向かう胆力と経験などが必要です。そうした力は、ある程度時間をかけなければ手に入らないし育たないと思います。 また、組織内の関係性のみで育てるには、現在(いま)はきっと栄養源は不足しています。

"属性"は確かにそっと背中を支えてくれる程度には安心感を与えてくれます。 例えば、セミナーや研修会で出会った方と名刺交換をする時、「私は○○に所属している」という一つの身分証明のように安心することもあるでしょう。

私たちが関わっている社会はほんの一部であって、それが全てではない。社会に何かを還元したい、では何をどう行動できるのか?

およそ15ヶ月前から自分自身に向き合うことを始めました。

今回は次の5つをシェアします。

  1. 組織の中に身を置きつつ、社会とまた違うつながりを形成する

  2. 感情的な安全性(emotional safety)

  3. 気がかりはありますか?

  4. 自分が自分に対して何をしているか

  5. シェアすること

1. 組織の中に身を置きつつ、社会とまた違うつながりを形成する

組織は個人のために存在はしません。また個人も組織のために存在するわけではありません。 場(field)は1つだけと線を引いて、ずっと同じコートの中にいなくてはならないと自分を縛っていませんか?

私は学生時代の部活ではバスケ、駅伝、ソフトボールを経験しました。 それぞれのスポーツでルールがあり、選手(player)としては行動する範囲が決まっています。

いま、あなたは組織の中で行き詰まりを感じているかもしれません。それはもしかしたら、スポーツで応援してくれる観客や支援してくれるサポーターの期待に応えたいと思い懸命に得点を取ろうともがき続け、何度も奮起するけれど結果が出せないとか、常に判定(judgment)されることに疲れてしまったなど。

そんな選手(player) と周囲との関係性と似ているかもしれません。 あなたがいつもいる場(field)以外で選手(player) からサポータ役に転じてみる。他分野で他流試合を挑むのも面白いと思いませんか。

サポーター役として

思い描いたことを所属している組織で挑戦できるか、実現できるか。いずれにしても限りがあります。

それは医療業界という縛り、職種としての範囲もあり誰しも経験のあることかもしれません。「自分自身で実現できなくとも他の人なら実現できるかもしれない。」私はそんな思いをもって組織の外で出会った人のサポートもしています。相談を受けたり、アイデアや、知っている知識を提供する。あとは、私がこれまでに出会った中で、化学反応の起きそうな企業同士をマッチングしたりもしてきました。

もちろん個人としての時間を使って行うことが前提にはなります。企業としては絶え間なく状況が変化していく中で思いついたことに取り組めるか、ニーズがあるのかどうか、属人性が高い医療業界で一般化できるのかそんな疑問や不安を抱えているようです。ただそれは人との関わりの中でしか測れないと私は思います。

ですからそんな場をコーディネートすることで、私の視点はより外側に向き、普段の環境では「そういうものだ」と思っていた組織の文化とは違うものに出会う場の役割も果たしています。私にとって他業界とのつながりは、元のfield(場)に戻った時の栄養源です。

2. 感情的な安全性(emotional safety)

聞きなれない言葉かもしれません。

ここで私が一番伝えたいことは、"感情的な安全性" です。

誰かに何かを相談する時にこわくなったりしませんか? 会議や打ち合わせで何かが違うなと感じた時にそれを伝えられてますか? 伝えようと思っても言っても無駄かなとか、周囲の人に「余計なこと言うなよ」とか「やること増えたじゃん」と言われた以前の経験があり発言できなかった経験ありませんか? それはきっと私やあなただけではないと思います。 感情的な安全性って何か、どんな場なのか。

人が集まって話をする機会を想像してみてください。文章で『私と全く同じ意見を持ち表現もすべて一致する人などいない。それぞれが異なった意見や期待を持っている』と読んでみて、何を当たり前なことを・・・と思う人も多いと思います。ただ最近参加した打合せや会議を思い起こしてみて、自らの意見を自分自身のように扱いそれを守ろうと感情的になっている人、意見に異議を唱えられ眉間にしわを寄せたまま不快感をあらわにしたり、圧力的な物言いをする人、相手の悪いところ探しを始めてそればかりに注力する人・・・そんな人達に遭遇したことはありませんか。自分が表現したことに対して、誰かが好意的でない意見を言うとまるで自分が攻撃をされたかのように感じる。それは自分の意見と自分自身を一体化しているような感覚でとらえている同一視から起こる感覚です。意見は人が歩んできた”過去からの結果”から生じていると思います。

仕事でも、「〇〇さんが言ったからそうしました」とか「前任者がこうしていたからそうしました」という発言もよく耳にします。その言葉の裏にある本当の意味は『だから私は悪くない』と伝えたいのかもしれませんし、彼らにとっては自分が悪くないです、原因は〇〇さんですと伝えることが安全を確保する唯一の手段なのもしれません。ただ、こうしたやり取りはいわば交渉であり対話ではありません。パワーオーバー(power over,圧力をかける関係)では感情的な安全性はないでしょう。

対話ができる場を作りたいと私は思います。ここでは多くは書きませんが、人から指摘を受けないようにふるまうことに力を割いている状況もあるのではないでしょうか。そういうことができるだけ少なくできれば、自分の持っているエネルギーを無駄に消費しなくて済むとも思っています。

「対話」

意見が通った人は勝者、そうでない場合は敗者そのような話し合いの場はまるでゲームです。人数が多い方はどちらかと必死に情勢や形勢をみて自分の意見も同じとふるまう、たとえ実際はその意見は自分自身とは異なっていたとしても・・・。

文字で再現するのは難しいですが、2017年8月26日 Healthcare Ops Connect Vol. 1 では一枚だけ真っ白なスライドを混ぜました。

そこで『きをかいてください』と問いかけました。

次のスライドでは、イラストの木、漢字の木、平仮名のき、カタカナのキ、ローマ字でKiそして『自分の中にあるイメージは、間違いではありません。』というメッセージをスライドインで表示しました。

私が「木」という一文字のみをスライドに表示させたらきっと、自分は間違っていると思ってしまうかもしれません。対話とは自分の意見を表現し、他者が表現した意見にも意識を傾け意味を明らかにしていくことであり、そこには上下関係も勝ち負けもない、あるのは『対話をする目的や意味』だと私は思います。対話は『伝えたい』『理解したい』その気持ちが何よりも求められます。

3. 気がかりはありますか?

私はこの言葉をよく使うようになりました。 きっかけは2017年5月28日(日)10:00-17:00につながりテクノロジー研究所の主催で開催されたイベントに参加したことです。『誰も置いてかない合意形成-Formal Consensus-』という題で開催されたこのイベントに参加して私は衝撃を受けました。

経験した内容を要点だけでもコンパクトにまとめてお伝えできればよいとは思いますが、一日がかかりで経験した内容をまとめることは私の力量では難しく、何よりもつながりテクノロジー研究所の方々が練りに練って資料も含めて場を用意してくださったことを考えると私の伝え方で誤解を生みたくない、大事にしたいという思いがあります。この項で書くことはあくまで私個人の感想にもとづいたものです。

・話し合いの進め方が構造化されている。
・「価値観」に照らし合わせて話し合いが進む
・ 気がかりはありますか?と問いかけ合意を得て次のレベルの話し合いに進む
・ロールを担う
・話し合いの場に出した意見・気がかりはその場にいるみんなのもの
・スタンド・アサイド(脇に置く)

Formal Consensusは今まで私が参加した話し合いにはない進行の仕方です。8つロールという役割がありましたが、そのうちドアキーパー係(Doorkeeper)、ピースキーパー(Peacekeeper)、共感係(Advocate)は今まで経験したことがないものでとても新鮮でした。私が学んだことでいま一番活きていることは『気がかりはありますか?』 という言葉です。

この言葉は話し合いの場以外にもメールや日常会話の中でも使っています。「問題はありますか?」や「意見はありますか?」という言葉よりもなんとなく気軽につかえて場の雰囲気が柔らかくなるような印象を持っています。例えばメールの最後に「何かありましたらご連絡ください。」といった文言を挿入する方もいるのではないでしょうか。

私は『気がかりがありましたらいつでもご連絡ください』という言葉を最近は使っています。もちろん印象は人それぞれ異なると思います。医師との打合せの際に「先生、何か気がかかりはありますか?」と使ってみたら「気がかりは・・・」と少し考えてからいくつか伝えてくれました。このエピソードでは、打合せの締めくくりにもう一度同じように問いかけたところ「気がかりは・・・もうありません!大丈夫!」と笑顔で返してもらえ、とてもうれしかったです。

4. 自分が自分に対して何をしているか

私たちがとる言動・行動には何かしら欲求があります。 なぜ、ここでこの話に触れるのか。それは 医療職につく方の傾向として『人のために』**『人の役に立ちたい』『人を助けたい』『社会(世の中)のため』**と思い職について、ひたすらその道を走り続ける人が多い印象を持っています。その気持ち自体は否定はしません。むしろ私もかれこれ15年近く前の就職面接ではそんな風なことを回答したような記憶もあります。

ただここで言いたいことは、そういう思いを持って働くことと、"自分に目を向けないこと"とはイコールではないと私は思います。

医療はケアする側とケアされる側という役割がはっきりしています。担うとは引き受けたり、負担するという意味があります。24時間365日そうある必要もない。同僚や家族に対し、普段より強い口調で接したときはありませんか。それは目の前の相手によって引き起こされた感情ではなく、別のところで抱いた不満や怒りそれを心理的ハードルが低い相手にぶつけてしまっているのかもしれません。客と店員など関係性においては、金銭を払う側が反対側の立場を従えるようなそんな光景を残念ですが目にすることもあります。ここではそういった行為の是非を問いたいのではありません。

怒りであれ他の感情であれ自分の内でそういう感情があったということに気づいて欲しい。腹を立てたり、歯をくいしばったり、身体が固まったりなど、人は感情を何かしらの形で他者へぶつけるか他の手法で解消したり回避しようと特に意識をしなくとも思考しています。時には権利意識が働き、それを確かめたいという衝動にかられるかもしれません。思考が働き衝動に対しての何らかの動きが生じる。

いずれにしても頭の中で思いついた解消方法を実行しようかするまいか考えてドラマが展開される。ただそのドラマはあくまで経験の中で身についてきたパターンで形成されています。 自分自身がどうしてそういう言い方をしたのか、そういう行動をしたのかについて何を求めていたのか。そんな風に振り返り自分の中にスペースを空けて欲しい。

5. シェアすること

あなたが、セミナーや勉強会に参加して後、得た知識はどうしていますか? 私は知識もそうですが、どんな人達と出会えたとかそんな私の感覚も出来るだけシェアしたいと思っています。 セミナーなどでお会いした方に対して、当院に来院いただき他の職員に対して話をして欲しいとリクエストしたことも何度もあります。それは体験を共有したいという思いからです。

いままでお伝えした内容は私がこの15ヶ月ほどのあいだに体験・体感したことをもとに書いています。もし、「あっ私も同じような経験があった」「私だけ(自分だけ)じゃなくてホッとした」とか、「これはいいかも」と思っていただけた部分があり、少しでもスペースが空く感覚を感じていただけたらうれしいです。

そしてその感覚を「ピザとパスタ、あとサラダも頼んでシェアしようよ」とかそんな気軽な感覚でシェア(share) していただけるとさらにうれしいと思います。感情的な安全性のある場が、もっと増えていくことを願っています。

謝辞

※Healthcare Ops Connect Vol. 1で登壇するにあたり、『誰も置いてかない合意形成-Formal Consensus-』つながりテクノロジー研究所の
 紹介をすることを事前にご相談させていただき引用させていただいております。この場をお借りしてお礼を申し上げます。

おことわり

私の今までの経験をベースにしておりますが、所属する組織についてのみ言及するものではありません。
また掲載内容は、思考・情動・行動・言動 そういった私自身の感じ方が影響しています。
2017年8月26日 Healthcare Ops Connect Vol. 1登壇後に加筆し再編集いたしました。

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