氏名:山本 かおり
所属:福井厚生病院 医療情報システム課 電算資料室
前提:医療法人厚生会 福井厚生病院において電子カルテの保守等を行う。
課題:医療者からの相談・問い合わせに際し、自身の医療に関する知識不足を改善したい。
対応:「医療情報技師」資格取得に必要な知識で埋め合わせをする。
結果:資格を取得し、その過程でこれまでなかった知識を得ることができたが、課題も残る。
内部環境:病院内の電子カルテやパソコンにまつわる保守などを行う部署。私を含め2名が在籍している。
部署には電子カルテについての問題点や要望が集まるが、その内容には医療の専門用語が出てくることが多く、情報の収集や状況の理解が難しいことがよくあった。
私は大学で遺伝子について学び、その後コンピュータ業界で仕事をしてきた。
ご縁があって9年前に福井厚生病院で働くこととなったが、医療分野はこれまで関わったことがなく(遺伝子は植物が研究対象だった)一患者としての知識しか持ち合わせていなかった。
それでも入社当初はパソコンの修理等の業務が多く支障を感じるほどではなかったが、2011年の電子カルテ導入に当たりその保守を担当することなり、意思疎通に困難を感じることが多くなった。
知識を増やすにはどうしたらいいか考えたが、医療職といっても様々な職種がある通り色々な分野があるため、広く浅く効率よく勉強するために資格取得の過程で知識を得られないかと考えた。
医療に多種存在する資格のうち、包括的な知識を必要とするもの、また取得のために学校に通ったり多額の費用が必要だったりしないものをリストアップし、選択した。
「医療情報技師」は本だけで勉強することができる。受験の際は「医療」「医療情報システム」「情報処理」の3分野についてそれぞれ受験が必要となるので、3分野の教科書を取り寄せた。また過去の試験問題集を準備した。
試験期間4ヶ月程度であった。まずそれぞれの分野の教科書を読み、次に過去問を解いて不足している知識をノートに書き溜める勉強方式を採った。そのノートを踏まえたうえで計5年分の過去問を解いた。
結婚し小さな子供がいて勉強時間がなかなかとりにくいため、試験直前は子供と夫を家に残して実家に帰り3日間集中して勉強に当たった。
数ヵ月後の結果発表で合格となり、試験勉強の過程で医療に関する知識を得ることができた。
「医療情報技師」の資格は、5年ごとに更新が必要となる。その間に医療情報技師会が定める研修等に参加しなくてはならない。
せっかく取った資格であるため維持していきたいが、主に県外で行われる研修の費用と時間を捻出する必要がある。家庭の状況を考えると積極的な参加ができないが、もう少し時間に余裕ができたら研修に参加し知識と資格の更新をしていきたい。
また、資格取得によって知識が増えた部分もあるが、試験終了とともに忘れることも多く、得られた知識を忘れず業務に生かすこと、そして未だ不足する知識を埋めていく努力や方法が必要である。